-Create Clairとスモッキング刺繍
初めまして。Create Clairの澤田です。
今回のテーマは、Create Clairのブランドのアイコンであり、そしてアイデンティティでもある”スモッキング刺繍”。
スモッキング刺繍とは、どんな刺繍なのか。また、デザイナー安藤弥生(以下:安藤)がどのようにスモッキング刺繍と出会い、ブランドアイコンに起用するに至ったかをインタビューしました。
スモッキング刺繍とは、ヨーロッパの伝統的な刺繍技術で、裏側から生地をつまんで刺繍を施していくことで、表側にぽこぽことした立体的な柄を生み出すことができます。
一般的な刺繍は機械で施されることがほとんどなのですが、スモッキング刺繍の多くは人の手によって施されています。
使う生地が同じ生地でも、スモッキングの入れ方によって、異なるさまざまな表情を表現できるのが、スモッキング刺繍の特徴。
Create Clairではこれまでブラウスやワンピース、コート、ベルト、スカーフに取り入れてきました。
ースモッキング刺繍との出会い
澤田(以下S):安藤さんのスモッキング刺繍との出会いはいつですか?
安藤(以下A):出会いはわたしが、大学1年生のときです。大学祭でファッションショーが毎年開催されるのですが、そこで友人がスモッキング刺繍を使った作品を作っていて、初めてスモッキングという刺繍があることを知りました。
S:そのとき、すぐに「これだ!」って思ったんですか?
A:いえ、まったく(笑)そのときは、ただ「布のシワで模様を作ることがスモッキング刺繍」と認知しただけで、ブランドアイコンにしようとは思ってもみず、こんなにも魅力されるとは当時、思ってもいませんでした。
ーアイコンになるきっかけ
S:では何がきっかけでブランドアイコンに起用することになったんですか?
A:ブランドアイコンに起用することになったきっかけは大学3年生。装苑のコンテストでした。
※装苑賞とは:「若い才能を発見し、世に送り出す」という精神で、新人デザイナーの登竜門として1956年に創設されて以来、コシノジュンコさん、髙田賢三さん、山本耀司さんなど数多くの著名デザイナーを輩出してきた。
A:コンテストに参加すると決めたら、まずテーマを考えるのですが、そのとき”笑顔”にしよう!と思ったんです。
S:笑顔!なんで笑顔をテーマにしようと思ったんですか?
A:わたし昔から、笑っているひとがすきで。小学校の頃って、教室の後ろの黒板に目標とか貼ってませんでした?その目標も、“いっつも笑う!!”って書いてたなぁって、テーマを考えているときに思い出したんですよね。
S:懐かしい。ブランドを立ち上げると決めたときも、お友達の“笑顔”がキーワードでしたよね。
※ブランドの原点についてはこちら記事をご覧ください。
A:Create Clairとして大々的に“笑顔”をテーマにしたことはないけど、わたし、そしてCreate Clairの普遍的なテーマなのかもしれないです。
S:テーマを笑顔にすると決めてから、どのようにしてスモッキング刺繍と結びついたんですか?
A:作品として、どのように”笑顔”を表現していくかを考えたときに、“笑顔”から顔のシワを連想したんですよね。それで、スモッキング刺繍で顔のシワを表現したら面白いんじゃないかな?と、思いついたんです。
S:確かに伸縮性のあるスモッキングならでは、ですね!
A:作品づくりに没頭し、のめり込む様にスモッキングの奥深さに魅了されていきました。
S:結果として、スモッキングで笑顔を表現した作品「ÈGAO」は、髙島一精さん選出で第90回装苑賞のファイナリストに選ばれたんですよね。
※装苑賞でのエピソードは、こちらの記事をご覧ください。
A:このコンテストでの経験は、わたしの原動力ですし、わたしがすきな”笑顔”とスモッキング刺繍が結びつき、スモッキング刺繍はわたしにとって特別なものになりました。
S:それでブランドのアイコンとして起用したんですね。
A:はい。実は、ブランドを立ち上げる前から決めていました!Create Clairでは、ひとの手による仕事を大切にしていきたいと考えていて、時間も手間も惜しまずかけたいんです。スモッキングはもちろん、全てのアイテムに宿る稀少な技術が失われないように、まだまだ微力ですが、今後もクリエーションに取り入れて、みなさんに知っていただく機会になったらいいなと思っています。
Create Clair 澤田 真奈美 @mnm.03cc
◆Official HP https://createclair.com/
◆Instagram @createclair
※写真引用 ファッションメディアEC:QUI